九つの魂をただひたすら、貴方の為だけに (後編)
彼女の魂は、エルフの最後に伴するには足りていない。
獣としては至極当然に、使い魔としても明らかで、獣人となってもなお不足する。
それを彼女は知っていた。
故にこそ、彼女は「足る」己になりたくて、主人の元を離れる事を決意する。
七度目、一人で研鑽するもこれでは間に合わぬと無茶をして早々に命を失い。
八度目、己をいっそうに鍛える為に研究機関に身を寄せ、最低限に満足できる程度に整え。
そうして、最後。九度目。
長命種、エルフ族の主人を看取れる己になったと、彼のもとに戻った彼女を、……主人は酷く苦しそうな顔で出迎えた。
「お前と、笑って死を迎えたいだけなのです。シピ」
「可愛い私の猫」
「あいしてますよ」
きっと、嗚呼きっと。
己は何かを間違えた。猫は、それだけを理解して、主人との生がまた始まる。
千年の時、彼女を待って待って待ち侘びて、もはや年老いた己だと知ってもなお彼女を離せないイウェルと、主人の不安を理解できていないながらも彼に寄り添い、共に生ききりたい彼女の、最後の人生。
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・イウェル・ブスケ
cv.主水Ash
2000歳位(体感年齢 年寄り)
誕生日 11月21日
身長 196cm
『強欲』の神を信仰し、傍に控える信者。
森の街出身のエルフ族で、自認は「分別はつくようになった好々爺」。
笑顔を決して外すこと無く、優しそうに、親切そうに、まるで大人しい爺のように振る舞っているが、全ては彼の鋼の精神で維持されているだけの上っ面。
千年は如何なエルフとて短くなど無く、常に不安と恐怖が囁いている。
妻である「シピ」に執着している自覚がある。 -
・シピ(リスナー)
イウェルに拾ってもらったその日から、イウェルのことが大好きな猫。
その努力でただの猫は、獣から使い魔へ成り、そして獣人へ成り上がった。
しかしそれでも足りぬと、獣人の猫としては十分過ぎる化け物となって、彼のもとへ帰ってきた。 -
・『強欲』
cv.羽柴礼
悪徳の神八柱の中のひと柱。強欲を司る。
イウェルがいたく信仰している神様で、諸事情あり、ある時点からこの姿に落ち着いた。
「僕思うに、奴らに必要なのは会話でぇ……。あーまあでも、どっちももう『後がない』から、どうにかするんじゃない?」
と思いながら、遠くから様子を見ている。
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愛おしい貴方は、私を覚えていてくれただろうか
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まるで熱烈に乞われているような夜
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目に見える牽制、は、なんとなく。擽ったいような
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その悪夢はきっと、己が悪いのだ
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お祭りで真白き【祝福】を。『貴方が幸せでありますように』と
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月下に照らされる己の墓と、己が罪
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己が貴方へ恋をしていないとはこれ如何に過ぎて、熱を出す
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貴方を守れる、伴を出来る私でありたかった
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『好き』が、『愛してる』が、同じ重みである幸福
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微睡みに落ちていく感覚は、死の直前の安らかさに似ている
1.「愛おしい貴方は、私を覚えていてくれただろうか」
千年を知るか。
大戦を知る頃の面子はもう殆ど居らず、新しく入った連中さえも見送り、日々、年老いていく己の体。
何度も月が空を通り過ぎた。
褪せた世界で、時間が駆け抜けていく。それを、ただ、見ているだけの毎日を。
ああ、嗚呼。
お前の、私を見つめる瞳が。それだけがあれば、世界がようやく色を付けるというのに。
「女の、猫の獣人の、新人!」
「シピ! しぴ、しぴ!」
「私のシピでは!?」
2.「まるで熱烈に乞われているような夜」(R18)
己の妻は、こんなにも愛らしかっただろうか。
否、昔から可愛らしくはあったが、……それにしても苦しいくらいに愛らしい。
これ程に愛らしくて、献身的な娘が? 私の、妻に?
……、それは、とても。……僥倖で、……恐ろしくて堪らないことですね。
「あ、は、はは、はははっ、あはははは!」
「お前、ふふ、あははっ、血ではありませんかぁ…っ♡」
「また、お前の初めてを頂けて、私は嬉しいです」
「ぐちょぐちょにっ、なって、ぁ、は…、孕む準備なんて、っ、ぁ、はは…」
「最高に、えろくて、イイ…」
「このまま、孕め」
3.「目に見える牽制、は、なんとなく。擽ったいような」
……シピは、愛らしく、若く、そして優秀な女性として帰ってきた。それはつまり、誰から見ても魅力的ということ。
それが何をもたらすのか、知らぬ程。己は馬鹿でもなければ、世間を知らぬわけでもなかったと言うのに。
あーあ。……己とあの子以外の全てがない世界があれば。
などと。考えた所で。
そんな事は現実になりや、しないのだけれども。
「おや、驚いた。私の女を口説くような馬鹿がいるとは…」
「まあ。シピは若く、愛らしいですからね。虫も集りますか」
「はあ…これだから若造は」
4.「その悪夢はきっと、己が悪いのだ」
恋をしたことがない。だって、誰もが己にとって魅力的ではなかったのだ。
故に必要を、感じなかった。
あの傲慢が、今、己を刺している。
ただ無為に生きてきただけの老人を、あの魅力的過ぎる女性が愛してくれるのか、などと。
私は口が裂けても、「当然だ」なんて、言えなかったのだ。
「あの子にとっての事実がどうであれ、お前は、そう思ってる」
「俺は、恋慕を向けられているわけじゃない。って」
「お前の方がよっぽどあの子を裏切ってるじゃないか」
5.「お祭りで真白き【祝福】を。『貴方が幸せでありますように』と」
秋は豊穣祭があり、美味しいものが並び、ますが、……さ、流石に初日には店舗数も少ない……。
ああ、天使の祝福を見てみたい。……それなら、まあ。
……共に祭りを見に行くのも、久しぶりですね。
祝福を。どうぞ余る程の祝福を。
己が隣に立ってくれる、この世で最も愛らしく尊い猫へ、何よりもの幸福と祝福を。
「収穫祭です。豊かに実った野菜や果物を使った料理が沢山並んでいるはず」
「かぼちゃ、かぶ、胡桃、栗、梨、林檎…、鮭、牡蠣、仔牛肉…」
「ああ、どれも美味しそうですー…空腹~」
6.「月下に照らされる己の墓と、己が罪」
夜、不安で眠れなくなるといつも「前」のシピの墓の前に来てしまう。
最初の頃は彼女の気配を寄す処にして。今ではもう、ただの習慣のように。
まさかこの歳で、己への自信のなさに泣き言を言いたくなるとは思わなかったなあ。
「猫は九つ、人生を繰り返せる」
「おまえは、いま、…なんどめ?」
「ああ、嗚呼」
「お前を、私という存在だけで独占出来る程、魅力的な男であったのなら…ッ」
7.「己が貴方へ恋をしていないとはこれ如何に過ぎて、熱を出す」(R18)
シピが熱を出した。知恵熱である。
凄いなあ。ヒトは悩みで本当に熱を出せるのかぁ……。正直、現実で起こっているのを初めて見ました。
熱と悩みに浮かされている妻を、慰めてやろうね。
「くちゅくちゅくちゅ…こりゅこりゅこりゅ、気持ちいい気持ちいい」
「クリざりざりして、押し潰されて、奥もよしよし…」
「雌まんこ、イくイくですねえ」
8.「貴方を守れる、伴を出来る私でありたかった」
知らぬうちにシピは『強欲』様の『散歩』に同行できる程の強さを手にしていたらしい。強くなっているなあとは思っていたが、予想以上過ぎる。
彼女は、いつの間にか私に肩を並べる程に、強く……。
……それは、きっと。お前の寿命を延ばす為。
そうでしょう?
「お前の、命は。最後ですか?」
「おま、…おまえ」
「ほんとうに、えるふであるおれを、みとるきで…?」
9.「『好き』が、『愛してる』が、同じ重みである幸福」(R18)
自分と同じだけの感情を持つ相手なんて、一生で一度も手に入らないと思っていた。
好きだと言われるのが嬉しくて、好きだと言えることが苦しい程に幸せで。
シピの笑みを見れるのが、体に触れられるのが、熱を重ねられるのが。どれだけ幸運で、幸福なのか。
それを思い知らされるのさえ、今の私には、……何よりも嬉しいこと。
「こ、ぉしてえ、っふ、ふっ♡」
「っあ゙――…ッ♡ 奥…っ、子宮っ…っ」
「ごりゅごりゅ、ン、ちゅ、押し、潰すと、ぉ、お、お♡」
「すぐ、ぁ♡ お前を孕ませたいだけの、雄にもなります♡」
「好きなとこ、いっぱい突いてあげますからっ」
「幸せ潮吹き絶頂決めながらあ、ポルチオでちんぽちゅっちゅぱくぱくしてっ」
「受精しろ♡」
「イく、イくイくイくイく」
「イけっ」
10.「微睡みに落ちていく感覚は、死の直前の安らかさに似ている」
二人っきりの時間。
寝ても、目が覚めても、隣にお前が居る朝。
微睡む夢にさえお前が居てくれるような気がする。
死のその瞬間まで。嗚呼。
こうして、お前と過ごせたらそれは、この世で最も幸せなこと。
「愛してるよ、シピ」
「私の可愛らしいひと」
「お前の腕で死ねるその日が、…楽しみだ」
合計10トラックです。
シエン
https://ci-en.dlsite.com/creator/9442
では前日談や、後日談SS等が上がる予定です!
よろしければ!
声
主水Ash 様
https://x.com/AshAsh85553339
羽柴礼 様
https://x.com/hashiba_rei
イラスト
BELL0004 様
https://coconala.com/users/6049259
制作、シナリオ
warm bath
https://x.com/warmbath2929
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